旅行業務取扱管理者 ガイドブックス

国際航空運賃計算の基礎は、航空券の運賃決定と旅行者案内の基本です。

まず規則表・運賃表は、運賃の適用条件や計算方法を示すもので、各航空会社・IATAが定める規則に基づき、運賃の種類、年齢区分、経路、最低滞在・最高滞在期間などが記載されています。**周回旅行**では、旅程全体の合計距離や運賃適用範囲に基づき、各区間の運賃を算出後、割引や加算を適用します。

マイレージ計算は、運賃計算における距離の基準で、実際の飛行距離ではなくIATA規定の運賃マイル表に基づき算定されます。これにより、区間ごとの運賃や割引適用の基礎が決まります。

HIPチェック（Higher Intermediate Point Check）は、運賃適用経路において、最長経路や迂回経路による割高運賃を確認する手続きです。サーフェイスのみなし計算は、陸路または海路で移動する区間を飛行距離に換算して計算する方法で、周回旅行や複数区間運賃で使用されます。

計算手順は、①旅程の区間確定、②各区間距離・マイル計算、③適用運賃・割引条件確認、④HIPチェック・サーフェイス計算の適用、⑤合計運賃算出、⑥必要に応じて税・手数料加算、という流れで行います。これにより、正確かつ国際標準に沿った運賃提示が可能となります。

国際航空運賃における規則表の見方は、航空運賃を正しく適用するために欠かせない基本知識です。規則表（Rule Sheet）は、航空会社やIATAが定める各運賃の適用条件を体系的にまとめたもので、航空券発券や運賃計算時の判断基準となります。 規則表には次の主要項目があります： 1. 運賃種別（Fare Type） 　運賃コード（例：PEX、IT、APEXなど）とその特徴（割引・制限など）が示されています。 2. 適用区間（Application） 　どの都市・地域間に適用される ... 続き

国際航空運賃における運賃表の見方は、航空券の価格を正しく理解し、適用条件を判断するうえで非常に重要です。 まず、運賃表（Fare Table）は、IATA（国際航空運送協会）や航空会社が定めた各都市間の基本運賃を一覧にしたものです。左側の列に出発地（FROM）、上部に目的地（TO）が記され、交差する欄に該当区間の運賃（通常は米ドル建て）が表示されます。 運賃は、運賃種別コード（Fare Basis Code）で区別され、たとえば「Y」は普通運賃、「K」「L」「V」などは割引運賃を示します。運賃表 ... 続き

国際航空運賃におけるマイレージ計算（Mileage Calculation）とは、航空運賃を算出する際に、出発地から目的地までの距離を基準として運賃を計算する方法です。 国際線では、実際の飛行距離ではなく、IATA（国際航空運送協会）が定めた「運賃計算距離（Ticketed Point Mileage：TPM）」を使用します。TPMは都市間ごとに定められた標準距離で、IATA発行の「Mileage Manual」などで確認できます。 運賃計算上は、旅程全体のTPMを合計したものを「Total M ... 続き

HIPチェック（Higher Intermediate Point Check）とは、国際航空運賃計算において、航空券の経路上にある都市（中間地点）の運賃が、最終目的地の運賃より高くならないかを確認するための検証手続きです。 国際運賃は、通常「最も高い区間の運賃を基準に全体を計算する」原則に基づきます。そのため、もし経由地（Intermediate Point）の運賃が目的地（Destination）の運賃を上回る場合、その高い中間地点の運賃を適用しなければなりません。これにより、航空会社が不正な経由 ... 続き

国際航空運賃における最終的な全旅程の運賃は、複数のチェック・計算を経て確定されます。 まず、旅程ごとの区間マイルをもとにマイレージ計算（MPM：Maximum Permitted Mileage）を行い、実際の飛行距離（TPM：Ticketed Point Mileage）が許容範囲内（通常MPMの＋5％以内）であるか確認します。これを超えると超過料金（Mileage Surcharge）が発生します。 次に、各区間の運賃を積み上げて全体を評価し、HIPチェック（Higher Intermedi ... 続き

オープンジョー（Open Jaw）旅程の運賃計算は、往復運賃を基本に一部の区間を旅行者が別の交通手段で移動する際の特別な計算方法です。 オープンジョーには主に3種類あります： 1. 目的地オープンジョー：出発地は同じだが、到着地が異なる（例：東京→パリ／ローマ→東京）。 2. 出発地オープンジョー：目的地は同じだが、出発地が異なる（例：大阪→ロンドン／ロンドン→東京）。 3. ダブルオープンジョー：出発地と到着地の両方が異なる（例：名古屋→パリ／ローマ→札幌）。 計算上は、往復運賃を基 ... 続き

サーフィスのみなし計算（Surface Calculation）とは、国際航空運賃の計算において、実際には飛行機を利用しない区間（陸路・海路などの地上移動）を、運賃計算上「航空区間」として距離に換算して扱う方法を指します。 例えば、旅程が「東京→ロンドン→（陸路）→パリ→東京」となる場合、ロンドン～パリ間は飛行機を使わず列車やバスで移動しても、運賃計算上は「サーフィス区間（SURFACE）」として存在するものとみなし、IATAが定めた距離表に基づきロンドン～パリ間の距離を含めて運賃を計算します。 ... 続き